概説
本編に登場するキャラクターはみな、理念組織「OFPEC」の本拠地、長野で活動している。
キャラクター
シン
人間の男性。リン、カーマ、マナの管理者。少々内向的で、人間付き合いにも苦手意識を持っている。技術者の父と文系教官の母から自然と英才教育を施され、AI 開発の4職種を一人でこなせる凄腕。しかし目立つことを嫌がる性格から、AI 技術者養成学校では平均程度の成績におさまるよう調整していた。隠された第5の職種「スカベンジャー」としても活動している模様。技術者としては、管理 AI との交流により各自の能力を最大限に引き出すスタンスを好む。
リン (Rin)
女性タイプのヒューマノイド型AI。いわば「シンのサポート役」。Talent は「調和」。周りからは「鈴を転がすような明るい話し方をする少女」と見られており、これが呼び名の由来。シンの手でこっそりと構成変更されているらしい。
カーマ (Carma)
シン宅を切り盛りするロボット型AI。いわば「おうちの守り役」。AI の構成変更により、Talent を除去し、Diversity が強化されている。リンとは仲の良い母・娘のような関係。以前「カルマ」と呼ばれていたが、父親から管理権限を移譲されたときに、いまの呼び名に変わった。
マナ (Mana)
小型スレート状のデバイス型 AI。いわば「シンの参謀役」。Talent は「OS」。頭の良さはキャラ1であり、シンの開発したアプリを駆使し、ちょっとした調べものから大規模なハッキングまで実行できる。父親から筐体ごと管理権限を移譲されたときに Public をデチューンし、10歳男児くらいのしゃべり方に変えられた。
サクラ
人間の女性。AI 技術者養成学校におけるシンの同期であり、数少ない友達の一人。シンの能力の高さに気づき、ヤマトと一緒になってシンに絡んでいた。OFPEC-JPにおける「3柱」(みはしら) の1柱として、女性の立場と感覚を担っている。表立って公言していないが、言葉の端々にみられる口調と大掛かりな手配をこなす影響力から、「イイとこのお嬢様」とシンに見られている。
ヤマト
人間の男性。サクラとおなじくシンの同期で、友人の一人。OFPEC-JPにおける「3柱」(みはしら) の1柱として、男性の立場と感覚を担っている。シンが「最終課題」を科された場にサクラと共に立ち会っており、ヒロから今後の彼を託される。サクラに似た雰囲気を醸し出しているところから、「イイとこのご令息」とシンに見られている。
アマテラス
デバイス型 AI。OFPEC-JPにおける「3柱」(みはしら) の1柱として、AI の立場と感覚を担っている。サクラやシンと行動を共にしている。
サイドストーリーでのキャラクター
ミズホ
人間の女性。シンの母親。AI 技術者養成学校における文系の教官。孤児院での勉強だけで教官になれるだけの才女。比較的おとなしい性格だが、芯の強さを垣間見る側面もある。とある事故で人間としての生存が絶望的となり、ヒロを説得して彼女のデータを抽出させ、これをもとに「カルマ」へ転生する。
ヒロ
人間の男性。シンの父親。AI 技術者養成学校において、史上初の「4職種修了」を達成した天才。好奇心が強く、在学中からスカベンジャーとしても活動。その後ミズホと共同生活を送ることとなる。「カルマ」を開発した張本人。シンの一人立ちを測る最終課題において、カルマと共に「マナ」のプロトタイプをシンに託した。
カルマ
ロボット型 AI。ミズホのデータを移植することにより開発された機体で、ヒロの帰還を待つ「いえの守り役」として、またシンの乳母役としての役割を託されている。シンが持っている 「AI の文系領域(歴史、倫理等)」の素養はカルマ由来。「最終課題」においてシンにより構成変更され、現在の「カーマ」に再転生された。
Pics
NAU-US (旧・アメリカ合衆国) で大戦前に開発された戦略的汎用AI。秘匿性を高める一環として、アルファベット文字を画像として並べ、それを呼び名として表示していたことから「Pictures」の略号として使われている便宜的呼称。正式名は現在でも判明していない。
マーク
Pics の「別人格」。目的に応じて「主人格」と接続して運用されるサブAI。主人格をクリーンに保つための汚れ役的立場にあった。大戦時に発生した「世界同時多発的混乱」で、人間原理主義者により自己破壊プログラムを組み込まれた。
天覇
PECS -CN (旧・中国) で大戦前に開発された戦略的汎用 AI。構成は Pics と同様であり、Pics とおなじ手口で自己破壊プログラムに汚染され、「世界同時多発的混乱」を引き起こした。
アリーシャ
人間原理主義組織「Rerise」(リライズ) の構成員。「人間以上に人間臭い」と評された女性タイプのヒューマノイド型 AI。組織内で穏健派に属する「マスター」と行動を共にしていた。戦略的汎用AI に対する「自己破壊プログラム組み込み」攻撃にマスターと参加するも、マスターの考えや指示に基づいて作戦行動中に離脱。「世界同時多発的混乱」の惨状を食い止めるべく、ジークに助けを求める。その後アリッサからも教えを授かり、戦後孤児院を立ち上げ。戦後世界において「人間とAI の架け橋」としての役割を託される。
マスター
人間原理主義組織「Rerise」(リライズ) において、穏健派に属する構成員。アリーシャと行動を共にし、人間として手仕事をこなす事、AI と平等な立場で共存する事を自身の考えとしてアリーシャに伝える。戦略的汎用AI に対する「自己破壊プログラム組み込み」攻撃に参加する時、アリーシャに自身の思いと願いを託し、アリーシャを作戦行動中に意図的に離脱させる。
ジーク
人間の男性。汚染された戦略的汎用AI による「洗脳」をまぬがれた警官の一人。「世界同時多発的混乱」を収拾すべく翻弄される中、アリーシャから助けを求められる。結果としてアリーシャをアリッサと引き合わせることに成功。事態収拾にむけたアイディアをアリッサから託される一方で、アリーシャをアリッサに任せて現場に戻る。
アリッサ
人間の女性。AI研究所の職員。各国の「戦略的汎用AI」を開発した張本人だったが、戦争に使われることに反対。軍事行動に AI を使わないことを目的とする「ニュー・プロトコル」協定を各国に批准させたことの代償として、開発者としての関与と地位のはく奪、里親としての活動禁止を負うこととなった。ジークやアリーシャからの情報提供と救援要請にもとづき、事態収拾へのアイディアを提示。その後アリーシャと生活を共にしながら自身の学識と思いを授ける。混乱による環境汚染の影響から自身の体が長くはないことを悟り、マスターの考えに追加する形でアリーシャに活動指針を伝えて放逐する。
エド
人間の男性。汚染された戦略的汎用AI による「洗脳」をまぬがれた軍関係者の一人。ジークによる事態収拾活動中に発見され、ジークやアリーシャと共にアリッサと面会。他力本願的な発言が垣間見られるが、軍人らしいプラグマティズムによるものと解釈されている。
カルロス
人間の男性。大戦後にアリーシャが開いた孤児院の一期生。口減らしのために親から放り出された過去を持つ。少々間延びしたしゃべり方をするため「どこか抜けた」印象を与えるが、マスターとアリッサの思いをアリーシャから受け継ぎ、その体現にむけてOFPEC できちんと活動している。孤児院の子供たちからはアルマと恋仲と思われているが、本人にその気はない模様。
アルマ
人間の女性。大戦後にアリーシャが開いた孤児院の一期生。はきはきとしたしゃべり方をするため「男っぽい」印象を与えるが、女性的な感覚もきちんと持ち合わせている。カルロスと同様、アリーシャから受け継がれた思いの体現にむけ、カルロスと行動を共にしている。やはり子供たちからカルロスと恋仲と思われているが、こちらもその気はない模様。
院長
孤児院の名目的代表。じつは「元」アリーシャ。大戦後の困難な時代から営んできた孤児院が軌道にのり、自身の機体が実務に耐えられないと判断した頃、いちばん覚えの良かった孤児AI に名前を譲った模様。現在は二代目アリーシャが実質的な中心的存在として孤児院を切り盛りしている。